アメリカの人気子ども番組「セサミストリート」に、貧困から家を失ったという設定の女の子のキャラクター「リリー」が登場しました。番組の制作側は、「リリー」がほかのキャラクターらに支えられる姿を通じて、実社会でそうした境遇に置かれた子どもたちを勇気づけたいと話しています。

1969年から続くアメリカの人気子ども番組「セサミストリート」で、今月12日、ホームレス状態の7歳の女の子「リリー」というキャラクターが登場しました。

「リリー」が悲しそうに家を失ったことを話すと、ほかのキャラクターらは「家というのは建物のことだけではないよ。愛があるところが家だよ」と声をかけ、自分たちがいるから孤独だと思う必要はないと励まします。

アメリカでは、近年、家庭の事情で家を失い、施設や車などでの生活を余儀なくされる子どもが増加の一途をたどり、今では250万人に上るとみられています。

「リリー」は、7年前、貧困家庭の子どもとして、一度、番組に登場していましたが、今回は、家までも失ったという新たな設定で、「セサミストリート」を制作しているNPOは「残念ながら、リリーと同じような経験をする子どもが増えている。そうした子どもたちを勇気づけ、希望を与えたい」と話しています。

「セサミストリート」は、これまでも、人種や障害など社会の課題に向き合うために新たなキャラクターを作り出していて、去年4月には自閉症の女の子のキャラクターが登場しています。

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NHKニュース
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