アニメに出てくるような目の大きいかわいらしい少女が、歌って踊って、話しかけてくる…。そんな動画を目にしたことはないだろうか。怒ったり、笑ったり、困ったりと表情豊かで、時には顔を赤らめることも。最近、3DのCGキャラクターがYouTubeに動画を配信する「Vtuber」(バーチャルYouTuber)という存在が注目を浴びている。企業や自治体も次々と参入するVtuberの人気の理由を探った。

■市場は2倍規模で拡大

アルミホイルをひたすら巻いて丸めて、たたいて球体にする――。こういった一風変わったチャレンジを撮影した動画がYouTubeに投稿されると、若年層は面白がって視聴し、時には真ま似ねまでする。動画を見たことがなくても、「HIKAKIN」や「はじめしゃちょー」ら人気YouTuberの名前は、見聞きしたことがあるかもしれない。かつて子どもが熱中したのはテレビ番組だったが、今はYouTuberの動画に没頭する時代だ。

 マーケティング事業を手掛ける「CA Young Lab」などの調査によると、広告収入などから算定したYouTuberの2017年の市場規模は、国内で前年比2・2倍の219億円。22年には17年比2・6倍の579億円に拡大すると予想され、成長「産業」の一つとも言えそうだ。

■企業や自治体が注目するワケ
 
そのYouTuber界の一角で台頭しつつあるのが、若年層も注目するVtuberだ。3DのCGキャラクターが、バーチャル(仮想)のYouTuberになって、動画を投稿する。ビッグデータ解析を手掛けるユーザーローカル社の調べでは、今年1月末からの半年間でVtuberの数はおよそ25倍に増え、9月には5000「人」を突破した。ファンの数(チャンネル登録者数)も3倍以上の伸びを見せている。

 17年頃にVtuberの動画が流は行やりはじめたが、現在では「四天王」と言われる「キズナアイ」「輝かぐ夜や月るな」「ミライアカリ」「電脳少女シロ」ら特定のキャラクターの人気の固定化が進んでいる。生身のYouTuber同様、絶大な人気を誇るのは少数に過ぎない。

 Vtuberは企画、アニメーション収録、編集などの製作コストを考えると、YouTubeの広告収入だけで賄うのは容易ではない。そのため、人気の高いVtuberの「ミライアカリ」などの運営を行うDUO社(本社・愛知県)によると、「多くのVtuberは、インフルエンサー(ネットで影響力のある人)的な側面を生かした、企業タイアップ、イベント出演などが主な収益源になっている」という。

 そのVtuberに茨城県が参入したのは話題になった。Vtuber「茨いばらひより」は「自治体初」の公認Vtuberとして、「(セリフを)噛かんだところがかわいい」など、素人っぽさも人気。ロート製薬も商品やキャンペーンの宣伝などで活用している。

 企業や自治体が参入しやすいのは、一般人が自分だけでコンテンツを作る「個人事業主」の感覚が強いYouTuberと異なり、Vtuberは企画などの各工程にネット事業に強い企業が携わることが多いためだ。YouTuberとしてのノウハウがなくても、運営などを企業に任せてしまうことが可能で、安心して宣伝に採用しやすい環境が整っている。

■往年のアニメキャラクターも現代風に

 SFアニメとして中高年にもなじみ深い「ヤッターマン」。タツノコプロ(東京都武蔵野市)も、人気キャラクターのVtuber化に踏み切った。10〜11月にVtuberとしてデビューしたのは「ヤッターマン2号」こと「カミナリアイ」と、「ポチッとな」のセリフも懐かしい「ボヤッキー」だ。

 タツノコプロコンテンツビジネス部によると、テレビ離れが進む昨今、テレビという媒体を超えてアニメを広がらせるには「インターネット、特にYou Tubeは外せない」と考えたという。

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読売新聞
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