意中の地味女子は実は…甘詰留太「ボクだけ知ってる一宮さん」が完結
2018年3月30日 18:00 コミックナタリー
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かずまこを「ディアティア5 ?エンゲージ-」
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中村明日美子、蒼樹うめ、木尾士目、久米田康治、沙村広明ら大ヒット作を持つ作家から、8年かけてデビュー単行本を上梓した竹田昼、成人誌で人気を誇る新鋭・幾花にいろまで多種多様な作風のマンガ家たちが、のびのびと自作を発表する “楽園”。
2月・6月・10月と年3回だけ、じっくりと時間をかけて制作され、刊行される楽園 Le Paradis [ル パラディ]が今、充実の時を迎えている。

コミックナタリーでは、楽園の連載作を彩る“恋”と“背景”というテーマに注目。
それぞれ高校生と中学生の恋愛ストーリーを発表してきた「ディアティア」のかずまこを、「14歳の恋」の水谷フーカに“恋”を描くことについて思うところを聞いた。
また「ポム・プリゾニエール La Pomme Prisonniere」の鶴田謙二、「てるみな」「ぱらのま」のkashmir、「枕魚」「二匹目の金魚」のpanpanyaの3人に、その独特の背景への考えを語ってもらった。さらにデビュー20周年を迎えた宇仁田ゆみへのメールインタビューも掲載しているので、合わせて楽しんでほしい。

◆「ハーレムもの」って言われた瞬間に「なるほど」と思った(かずま)

──今回は5名の皆さんに集まっていただきましたが、水谷フーカさん、かずまこをさんに「恋愛」、鶴田謙二さん、kashmirさん、panpanyaさんには「背景」というお題で、それぞれお話していただければと思っています。まずはかずまさんと水谷さんが「ディアティア」と「14歳の恋」を楽園で描かれることになった経緯について聞かせてください。

かずまこを 編集の飯田さんに、楽園ができる前から「一緒にお仕事しませんか」というお話をいただいて。でも当時、私はデビューしたてでなかなか執筆のサイクルも掴めなかったんです。自信ないですって話をしているところに、「新しく4カ月に1度の雑誌を作ることになったのでいかがですか」と。

水谷フーカ 「14歳の恋」は、楽園第2号に掲載された「GAME OVER」という作品のプロットを出したとき、飯田さんに「あなた、中学生の恋愛を描きなさい」と言われて(笑)。「描きます」と言ってスタートしました。

──中学生の恋愛、と言われてどう思いましたか?

かずまこをが、水谷フーカの「14歳の恋」のキャラクターを描き下ろした。
水谷 あまり恋愛マンガには触れてこなかったので、「大人の恋愛を」と言われるよりはイメージしやすかったと思います。私は楽園で描く前に百合マンガを描いていたので、男女の恋愛マンガというのはこのときがほぼ初めてで。だから「中学生」って具体的に言っていただけたのはありがたかったですね。漠然と「男女ものの恋愛で」って言われても困ってしまったと思います。

かずま そういう意味では飯田さん、「ディアティア」のときは「ハーレムものを」でしたね。

水谷 へえ、面白い!

かずま そうなんですよ。私も男女の恋愛ものを描いたことがなくて、楽園のテーマが「恋愛」と聞いたときは、男女ってどうやって恋愛してたっけ?ってすごく迷ってしまったんですけど、「ハーレムもの」って言われた瞬間にやることが見えてきました。

水谷 そういうものですよね。私はあと「セーラー服で」とも言われて。「14歳」と「セーラー服」がお題でした(笑)。私は百合作品も、百合が大好きだから描いていたというよりは、「女の子同士を描いてみませんか」と言われて、面白そうだなと思って描き始めたんですよ。

かずま 百合もお題の1つというか、シチュエーションの1つっていう捉え方ですよね。

水谷 ええ。「百合」でも「中学生」でも、「年の差」でも「遠距離」でもいいんです。何かそういった縛りがあれば、イメージが湧いてくるのでストーリーを組み立てやすいですよね。

かずま 「ディアティア」を構想していたとき、私の描く女の子の絵が好きな読者の方がいらっしゃるのはわかっていたので、女の子をたくさん描きたいなっていう気持ちもあったし、女の子の「好き」っていう気持ちを何種類も取り扱えるのは面白そうだなと。あとは飯田さんのそういう注文が面白いなと思ったので、自分の文法で「ハーレムもの」を描いてみたくなって。チャレンジしたい題材だったんだと思います。