2018/2/10 18:00

2018年1月よりTOKYO MXほかにて放送中のTVアニメ『スロウスタート』(原作:篤見唯子/「まんがタイムきらら」にて連載中)。
アニメイトタイムズでは公式サイトと連動して、メインキャストのみなさんやスタッフの方々を対象にした連載企画「animate Times Presents スロウスタート リレーインタビュー」のロング版を掲載しています。
その第6回目に登場いただくのは、橋本裕之監督です。企画の立ち上げから学生時代のエピソードまで、幅広くお話を伺いました。

スタッフの愛情が生み出したクオリティ
――まずは企画がスタートした経緯について教えてください。
橋本裕之監督(以下、橋本):アニプレックスのプロデューサーから、「橋本さんが気に入った原作をアニメ化したい」と声をかけてもらったことがきっかけです。
それでまずは、マンガやライトノベルを大量に送ってもらって読むところからはじめました。そのなかで『スロウスタート』がすごく面白かったんですよ。

――どういったところに魅力を感じられたのでしょうか?
橋本:絵が抜群に可愛いのと同時に、少し暗い部分を持ち合わせているところに惹かれました。主人公が中学浪人をしていたなんて設定は、普通の「日常系」作品ではないですよね。
基本は明るい世界観でありつつも、キャラクターの意外な面が少しずつ見えるようになっている。そんなさまざまな要素が入り交じった感覚に魅了されて、この原作をアニメ化したいと企画がスタートしました。

――「まんがタイムきらら」に連載中の作品ですが、原作者の篤見先生とはどのようなご相談をされたのでしょう?

橋本:まだ連載中の作品ですが、アニメは1クールという時間のなかでまとめる必要があるため、今後の原作の流れについて伺いました。
またキャラクターのプロフィールもいただいたのですが、一人一人に非常に細かい設定があったんですよ。あまりに細かすぎて、作品に反映できるのか心配になるほどに(笑)。

――詳細な設定があることで、作品づくりにおいて違ってくる点はあるのでしょうか?
橋本:たとえば犬が嫌いなキャラクターは普通、犬の話はしませんよね。なのでそういう情報を知れば知るほど、細部の描写をうまく積み重ねることができるようになって、会話がどんどん自然になっていく。
映像化する僕たちにとっては、与えられた情報が多ければ多いほどやりやすくなるんです。

――アニメ化にあたって、メインスタッフはどのように決まっていったのでしょう?
橋本:シリーズ構成は僕から、以前ご一緒したことがある井上(美緒)さんにお願いしました。キャラクターデザインの安野(将人)さんは、A-1 Picturesの制作プロデューサーからの紹介ですね。

安野さんは打診してすぐ、まだ参加するかも決まっていない段階でデザインのラフを描いてきてくれたんですよ。
すごいやる気だなと思いましたし、そのうえきちんと原作のポイントを押さえた絵になっていて、そのまま決定稿にしてもいいくらいの仕上がりでした。

つづく…

https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1518164769