インタビュー 2018.1.21(日) 19:00
40年目に中東で復活! 円谷特撮「アイゼンボーグ」新プロジェクトの真相を聞く

1977年に放送された円谷プロダクション制作のヒーロー番組『恐竜大戦争アイゼンボーグ』。特撮とアニメを組み合わせた意欲的な内容だが、近年は知る人ぞ知る作品となっていた。
その『アイゼンボーグ』が2017年末にスペシャル番組『帰ってきたアイゼンボーグ』として40年ぶりに復活! しかも日本ではなく中東で! というサプライズ付きだ。
湾岸諸国を中心に中東では1980年代から『アイゼンボーグ』が放送され、国民的な人気を博しているという。
そして今回の復活プロジェクトを実現へとこぎつけたのは、あるサウジアラビア人兄弟の並々ならぬ情熱だった。

今回お話をうかがったのは、アブドルアズィーズ・アルフレイフ氏(以下「アズィーズ」氏)。以前はサウジアラビア大使館に勤務し、日本語も堪能で、何より『アイゼンボーグ』の大ファンという人物だ。
そのアズィーズ氏が現在所属する「カルチャーズファクトリー」の中川広一郎氏にも同席いただき、今回の復活プロジェクトの内幕から、『アイゼンボーグ』の中東での人気ぶり、そして実際にオイルマネーの影響があったのか? など幅広く語ってもらった。

番組の日本語版はYouTubeの円谷プロの公式チャンネルでYouTubeで配信中。記事と合わせてこちらもチェックしてみてほしい。
https://youtu.be/xLxAqPDaRDU
【取材・文 野口智弘】

――そもそもアズィーズさんが今回のプロジェクトに取り組んだきっかけは?

アズィーズ
2014年に円谷プロの方々とドバイの「IGNコンベンション」(アメリカのゲームメディア「IGN」が毎年中東で行うイベント)でお会いしたのが最初になります。そこに円谷プロがブースを出していたんですね。
『アイゼンボーグ』の中東人気を確かめる目的もあったそうです。当時の大岡新一社長(現在は同社相談役)もいらして、名刺交換させてもらったのが最初です。
私はすでに日本で働いていて、イベント後はまた日本で仕事をしてたんですけど、サウジアラビアにいる兄のジャッラーハが「円谷プロと『アイゼンボーグ』のプロジェクトを動かしたい」という強い熱意を持っていまして、円谷プロに正式に交渉をスタートするところから始まりました。

――あらかじめ整理させてください。いまお話に出た兄のジャッラーハ・アルフレイフさんが今回「企画原案」とクレジットされていて、復活プロジェクトの中心人物ですよね。
そしていまお話いただいている弟のアズィーズさんと、アズィーズさんが勤める日本の会社「カルチャーズファクトリー」が窓口となって、円谷プロに交渉していったという流れでよろしいですか?

アズィーズ
そうですね。最初は中東向けにテレビシリーズを新しく作りたいという希望もあったんですが、やはり予算的に難しいので、まず『アイゼンボーグ』と日本の特撮文化を紹介するドキュメンタリーを作ろうということになりました。

〜後略〜

https://animeanime.jp/article/2018/01/21/36554.html