2018年01月07日 16時52分
 滋賀県が発表した2016年の県内の観光入込客数(延べ人数)が、前年比5・9%増の5076万7300人となり、1976年の調査開始以来、初めて5000万人を突破した。

 4年連続の増加で、県観光交流局は県ゆかりの戦国武将・石田三成にちなんだ三成キャンペーンや、近江神宮(大津市)が競技かるたをテーマにした映画「ちはやふる」の舞台になったことなどが大きかったと分析している。

 年間1000人以上の観光客が見込まれる観光地・施設などを調べ、801地点のデータをまとめた。

 調査結果をみると、日帰り客数は同6・5%増の4699万人。一方、宿泊客数は377万7300人で同1・3%減となった。前年に実施した宿泊料金を補助する制度「滋賀ふるさと旅行」の終了による反動とみられる。

 入込客数の多かった観光地(公表を了承した施設のみ)は、菓子の製造販売を手がける「たねやグループ」の大型複合施設で、人気のバウムクーヘンなどを販売する「ラコリーナ近江八幡」(近江八幡市)
が213万700人で初の1位となった。前年まで2年連続1位の「黒壁ガラス館」(長浜市)は197万3200人で2位。「多賀大社」(多賀町)が166万8500人で続いた。

 地域別の内訳は、大津地域(大津市)が1357万4000人で全体の26・7%を占めた。次いで、「ラコリーナ近江八幡」や織田信長を扱った映画「信長協奏曲」で安土城跡などの来訪者が増えた東近江地域(東近江、近江八幡両市など4市町)が933万8000人。
三成キャンペーンや、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された長浜曳山ひきやま祭などが注目を集めた湖北地域(長浜、米原両市)が918万6000人――などとなっている。

 また、外国人の入込客数は同15・6%増の54万9809人、宿泊客数は同10・1%増の39万8086人で、一定のインバウンド(訪日外国人客)効果がみられた。

 県の担当者は「入込客数は過去最高となったが、今後は宿泊客の需要についても対応できるよう、課題として検討していきたい」と話している。(川本修司)

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