2017年12月31日 アニメ コラム
急減速がなければ、もしかしたら紅白出場もワンチャンあったのでは?
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 2017年はアニメファンにとってどんな年だっただろうか。ヒット作の続編が目立った一方で、近年のように社会現象化した作品は見当たらなかったようにも見受けられる。“オタレント”の小新井涼さんが、ファンの目線から2017年を振り返る。

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 間もなく終わりを迎える2017年ですが、アニメで振り返ってみると一体どんな年だったでしょうか。「国産アニメ誕生100周年」や「アニメ市場規模2兆円突破」、
また忘れてはならない「けものフレンズ(けもフレ)」ブームもありました。ですが私の考えでは、この一年は「ヒット不在の年」だったと思います。
明るい話題の一方で、なぜこんな消極的な総括になってしまうのでしょうか。今年一年を振り返りつつ、探ってみたいと思います。

 今年一番話題を集めたのは「けもフレ」でまず間違いありません。しかしそれは同時に、それ以外に目立った社会的なムーブメントがなかったことも意味しているのではないでしょうか。

 昨年は「君の名は。」や「この世界の片隅に」をはじめ、散々話題になった劇場作品も、今年は、ファンを中心とした手堅いヒット作はあったものの、爆発的な盛り上がりを見せた作品はなかったのでは。

 また、「おそ松さん」や「ユーリ!!! on ICE」など、予想外のヒット作が続いた女性向け作品にも、盛り上がりが女性ファン以外にまで伝わるほどのヒット作はなかったように思います。

 ところがこれは、人気の作品がなかったいわゆる「不作」という意味ではなく、むしろ「それなりに豊作」だったからこそ、起きた結果だと思います。
つまり、「それなりに人気」の作品が、毎クール複数同時に存在していたために、アニメファンの人気が分散し、
「けもフレ」のような人気集中型の「覇権作品」がなかなか生まれなかったと考えられるのです。特に好みの切り替わりが激しい女性向け作品はそれが顕著で、今期ですら
「おそ松さん」が強いながらも、「血界戦線」や「鬼灯の冷徹」といった人気作の続編とも重なったこともあってか、一人勝ちの覇権作品とはなれていなかったようです。

 それではやはり、2017年はそんな中で唯一の「覇権作品」となった「けもフレの年」じゃないかというと、それもそうとは言い切れないと思います。
確かに「けもフレ」が今年唯一の「覇権作品」だったのは間違いありませんし、放送終了後も着実に盛り上がりは増していました。
それでも、9月の監督降板発表以降は当初の勢いがなくなり、結局年末まではもたなかった感がどうしても否めないからです。

 もちろん誰がいい悪いという話ではありません。しかし、このゴタゴタで「けもフレ」の優しい世界が好きだったファンが、見たくなかった部分を見せられてショックを受けたのは間違いないでしょう。
そこからの急減速がなければ、「もしかしたら紅白出場もワンチャンあったのでは?」とも思ってしまえる以上、
そして右肩上がりで今年を締めくくれなかった以上、単純に「けもフレの年」だったねとは言い切れないと、私としては思います。

     ===== 後略 =====
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