アニメーションスタジオ・アートランドが6月30日までに実質的に事業を停止していたことが分かりました。

同社前身の「有限会社アートランド」時代には「超時空要塞マクロス」「メガゾーン23」「銀河英雄伝説」への参加で知られ、
近年でも「蟲師」のシリーズ制作を手掛けるなど、アニメファンから信頼の厚いスタジオとして支持を得ていました。

帝国データバンクによると、近年では人気作も手掛けていたものの、欠損計上が続き、
2016年4月に中国のアニメーション制作会社の日本法人が当社株式の51%を取得するなどのリストラ策を実施。
また、6月には中国のアニメ会社「上海絵界文化伝播有限公司」の日本子会社である「絵梦」から出資を受けていたことも知られていました。
しかしこちらも奏功せず、負債は2016年12月期末時点で約2億9800万円まで膨れ上がっていました。

また、東京商工リサーチによると、同社の関係者は
「破産申請をしない方向で債務整理を検討している。事業を継続する可能性もある」とも語っているとのこと。
社内にはまだ従業員もおり、ここからの再起に期待したいところです。

前身となるスタジオは創業者の石黒昇さんを中心に1978年に誕生。
キャラクターデザイナーの美樹本晴彦さんやアニメーターの板野一郎さんなど、若手の実力派スタッフを多く抱え、
80年代は多数のOVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)作品への制作協力で存在感を発揮。

2006年にはマーベラスエンターテイメントの子会社になり、同年7月には株式会社化。
同社初の完全元請け作品「蟲師」(2005年〜2006年)はテレビアニメの枠を超えたクオリティで話題になりました。

2010年にはマーベラスから離れ、「株式会社アニメーションスタジオ・アートランド」として再出発していました。

帝国データバンク
http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/4353.html

以下ソース:ねとらぼ 2017年07月07日 16時55分
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1707/07/news106.html