カプコンは,2017年8月3日の発売が予定されているニンテンドー3DS用ソフト「大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-」(以下,「大逆転裁判2」)のプレミアム体験会を6月3日,東京都内で開催した。
公式ファンクラブ「逆転通信」の会員を対象とする招待制のイベントで,参加者は「大逆転裁判2」の第2話「吾輩と霧の夜の回想」を発売に先駆けてプレイできた。
プレイの内容は,本日掲載した記事で確認してほしいが,本稿では,会場で行われた「大逆転裁判2」のプロデューサー江城元秀氏と,ディレクターの巧 舟氏によるトークの模様をお伝えしたい。

最初のテーマは,「大逆転裁判2」のコンセプトについて。
巧氏によれば,販促ポスターなどに記されたキャッチコピー,「──すべての謎が今。解き明かされる──」をそのままコンセプトとして開発を進めてきたそうだ。
ゲーム本編の開発は,ほぼ終わっているとのこと。

次のテーマは,キャラクターについて。
江城氏によると,「大逆転裁判2」には,前作「大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-」に登場したメインキャラクターに加え,WEB体験版で姿を見せた成歩堂龍太郎を筆頭とする新キャラクターが続々と登場する。
巧氏はそれらの新キャラクターについて,「自分でいうのもなんですが,面白いです」と述べており,期待が高まるところだ。

3つめのテーマは,音楽のこと。
本作に使われている楽曲は,巧氏とカプコンサウンドチームの北川保昌氏がガッチリとタッグを組んで作り上げたとのこと。
巧氏は「メロディの強さなどの特徴を付けて,一度聴いたら忘れられない曲に仕上げている」とこだわりを見せていた。

4つめは,シナリオの話題。
巧氏は「プレイヤーに楽しんで遊んでもらえることが一番」と,その思いをシナリオに詰め込んだと説明した。
ただ,詰め込みすぎてはみ出しそうになってしまったので,うまく収めるのには苦労したという。

最後となる5つめは,数量限定版特典の「遊べる! 大逆転物語 2本セット」についてだ。
江城氏は,厳しい開発スケジュールの中,巧氏にかなり無理をいって作ってもらったと制作の経緯を説明した。
内容は「日本篇」と「倫敦篇」の2本立てで,シナリオはゲーム本編とは関係のない展開になっているとのことだが,巧氏が「数量限定版のほうが面白い」と思ったら,開発中にシナリオを変えてしまうこともあるそうなので,今のところ,フタを開けてのお楽しみだそうだ。

以上のトークのあと,来場者が江城氏と巧氏に質問するコーナーが設けられた。質疑応答の中から,いくつか抜粋しよう。
「大逆転裁判2」の開発で最も大変だったエピソードを教えてほしいという質問に対して巧氏は,「やはり,詰め込んでも詰め込んでも……という部分ですね」と答える。

かつて手がけた「逆転裁判」シリーズを超えるものとして「大逆転裁判」シリーズを作っているため,どうしてもこだわりが強くなり,うまくまとめるのが大変だった模様だ。
これに関連して,「大逆転裁判」から引き続き登場するキャラクター達には「こんな一面もあるのか」と驚かされるはずなので,ぜひ期待してほしいと付け加えた。
「逆転裁判」シリーズには印象的なセリフやフレーズが多数登場するが,狙っているのかという質問に巧氏は,「もちろん,面白くなるように作っている」と答えた。
とはいえ,何がプレイヤーに受けるのか,実際にはなかなか分からないそうだ。

「大逆転裁判」から引き続いて登場するキャラクターの1人に,実在した文豪の夏目漱石がいる。
前作の漱石は,かなり挙動不審な人物として描かれ,本作では漱石のコミカルなモーションにさらに磨きがかかっている。
質問は,それがどうやって作られたのかというもの。
巧氏によれば,前作ではモーションキャプチャーのアクターが自由に演じた中から,イメージに合うものをチョイスしたが,「大逆転裁判2」では,同じアクターに再び依頼して,「こんな感じで」という具体的に指示を出して演じてもらったとのこと。

気の早い話だが,「大逆転裁判3」に期待していいのかという質問も飛び出した。
これについて江城氏は,「大逆転裁判2」が大ヒットすれば,もちろん検討すると回答。
ただ,1作ごとに全力投球しているため,新作にふさわしいアイデアを巧氏が思いつけるかが大きなポイントになるとのことだった。

最後に巧氏は,「発売日までなんの情報も入れない状態で遊ぶことをおすすめします。ぜひ期待してください」とコメント。
江城氏は,参加してくれた人達に感謝を述べ,「発売日を楽しみにしてください」として,体験会を締めくくった。

http://www.4gamer.net/games/369/G036948/20170603006/