20代は恋愛厳禁、30代から「早く結婚して安心させて」? 身勝手なエゴを押し付けられる女性声優の悲哀
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 NMB48の須藤凛々花さん(20)の結婚発表騒動によって、AKBグループをはじめとするアイドル業界の「恋愛禁止ルール」の是非が問われているが、
この決まりは声優業界にも及んでいるようだ。
『けいおん!』の中野梓役などで知られる人気声優の竹達彩奈さん(28)が、“30歳までは事務所に恋愛を禁止されている”ことを明かして話題を集めている。
声優の恋愛を許さない過激ファンの存在

 25日放送の『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)にゲスト出演した竹達さんは、
フットボールアワーの後藤輝基さん(43)に「アイドルではないけど、恋愛禁止だったりするの?」と聞かれると、
「そうですね……うちの事務所が『30歳までは頑張っていこう』みたいな」と返答。
明言は避けたが、どうやら所属事務所に30歳までは恋愛より仕事を優先するよう言われているようだ。

 後藤さんが「アイドルではないけど」と言ったように、本来声優はアニメキャラクターの声を演じたり、洋画の吹き替えを担当したりと声の仕事がメイン。
それが近年は自分名義のCDをリリースしたり、コンサートを開催したり、写真集を発売したりと、アイドル的な活動をする“アイドル声優”が増加している。

 声優人気の盛り上がりですっかり声優もイメージ商売になり、恋愛や結婚ネタはアイドル以上にデリケートに扱われているように感じる。
過去に、人気声優が結婚を発表したことでネットが炎上する騒ぎがあったり、またSNSなどで少しでも男の影を感じただけで「ファンへの裏切りだ」と声を上げ、
「女性声優たちは処女でなくてはならない」と勝手な決まりを作る過激な声優ファンの存在も関係しているだろう
(過激ファンを面白がってマネするだけのファンもいるので、全体で見ると過激ファンはごく少数だとは思うのだが)。

 竹達さんもアイドル声優の括りに入るので、もし熱愛が飛び出したらネットが大荒れすることはほぼ間違いない。
なので、今回の発言には「あやち(竹達さん)は30歳まではフリー」と安堵するファンも多いのだが、
その一方で、どうしてかキャリアを積んだ30歳以降の女性声優に対しては、なぜか「早く結婚してファンを安心させてほしい」といった声が上がっている。

身勝手なエゴを押し付けるファン

 須藤さんの熱愛スクープを報じたことで記憶に新しい『文春砲Live』(ニコニコ生放送)が、
7月の次回放送で「アニメ好きなら誰でも知っているビックな女声優」の熱愛を暴露すると告知しているのだが、
「曲を出していて地上波に出演したこともある」というヒントから水樹奈々さん(37)、田村ゆかりさん(41)、堀江由衣さん(40)の熱愛なのではと話題になっている。

 はたしてどの女性声優の熱愛なのか、その真相はともかく、この3名の熱愛が飛び出すことについては、
「逆にファンが安心して喜ぶ」「この3人の熱愛だったら普通にうれしい」「祝砲にしかならない」と比較的寛容に受け止めているファンが多く、
中には「早く結婚してファンを安心させてほしい」と彼女たちの結婚を熱望するファンもいる。

 一見すれば、彼女たちの幸せを素直に祝福するファンたち、という和やかな光景なのだが、
これって「若い時はファンのために恋愛を我慢しろ、年増になったらとっとと結婚して幸せになって」という身勝手なエゴを押し付けているようなものなのでは、とも感じる。
例えるなら、10代の女性の結婚は「若すぎる」と一蹴して、一方で結婚適齢期を過ぎても結婚できていない女性に「行き遅れ」「余りもの」と言う勝手な社会規範とよく似ている。
もちろん、水樹さんらの幸せを祝うファン全員が若い女性声優の恋愛に嫌悪感を抱いているワケではないのだが。

 ファンは理不尽なことを言うなと感じるが、声優のイメージを守りすぎた結果、そうしたファンを生む原因を作った声優業界の構造(※1)にも問題があるのかもしれない。

※1……アイドル声優の台頭も関係して、声優は声だけでなく容姿も求められるようになった。その中で、所属声優のクリーンなイメージをまっとうする声優事務所も多い。