4月19日(金)朝日新聞東京版朝刊社会面 「沖縄」を考える/代執行

台湾出身記者 劉彦甫さん(30)   大国による翻弄 重なる台湾

中国の軍拡に対し、日本や台湾では防衛力の強化が必要ですが、その議論を進めるために各国の軍事関係者や専門家があおった面が
あります。台湾の人たちが緊張した日常を送っているように見えるかもしれませんが、実際は淡々と落ち着いて生活しています。
長年中国の圧力に対応して慣れてきたほか、日米台で備えが進み、「有事」を先送りし続けられると思っているからです。

台湾にとって重要なのは、現状を維持して自由や民主、平和を守ることです。そのために軍事に加え、外交、経済、人的交流など
様々な手段での対中抑止が必要です。そのなかで、沖縄に基地が必要かを台湾は言う立場にありません。台湾の政策担当者に聞くと、
沖縄の基地がいざというときに機能するかは注目しています。基地が健全に機能するには住民の支持が不可欠で、機能しない可能性
があるならば、リスクとして備えなければならないためです。

(続く)