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(続き)

肉の巨大な塊は「マリポーサ」という焼き方で頼みます。スペイン語で「蝶」の意味で、
大きな肉を開いて焼く様が蝶のようでそう呼ぶらしい。

世界遺産「チロエの教会群」を見学した時は「アホ(ニンニク)祭り」に遭遇し、
コルデロ(子羊)のアサード(焼肉)、鶏のカスエラ(野菜スープ)の出店が並び、
白ワインのボトルと合わせ総額二千円少々。肉は柔らかくて旨い(こればっかり・笑)。
チジャンという街の広場では露天商の兄ちゃんが売っていた緑の葡萄は大きな袋に
十房入って百五十円。当然購入し旅の間、もしゃもしゃと食べていました。

帰国後、日本のスーパーで再会したら、ひと房の半分が五百円でした。

食べてばかりかと思いきやさに非ず。ネルーダの反骨精神も学びました。
彼は独裁政権に異を唱え逃亡生活を余儀なくされました。今の日本のメディアは
政権に忖度することが大変多く、私も最近、検察と政権を批判したエッセーを
ボツにされました。独裁下の言論弾圧状態ですが市民は無自覚です。そんな状況では
飯が不味いので、ボツにされようとトンデモ政権を批判する文章を書き続けようと
思っています。

ラテンアメリカの物語を描いていて、黙っていると独裁者は図に乗り、米国に従属し、
市民の生活を侵食して戦争へと導くということを実感した私は、ひとりでも多くの人に
気づいてほしいと願っています。

声を上げることが重要なのです。

(終り)