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2019/07/29(月) 21:58:10.57ID:TghGTDjO0池澤夏樹(作家) 映画「主戦場」 慰安婦語る口調 言葉より雄弁
すべて試合の観戦はおもしろい。映画「主戦場」の場合はサッカーや囲碁ではなく、論戦。
従軍慰安婦問題というテーマを巡って、右軍と左軍双方の論客が登場、それぞれ自説を
展開する。
第二次世界大戦の時、朝鮮から多くの女性がアジア各地の戦場に送りだされた。
あるいは自ら渡った。日本兵たちを相手に性行為をするのが彼女たちの職務だった。
これが強制であったか否か、実態はいかなるものだったか、これが議論の軸だ。
論者が直接対決する形のディベートではない。インタビュアーが一人一人を訪れて
話を聞き、それを争点ごとに並置して編集、一つの流れを作る。ドキュメンタリーの
手法として新しいものだ。
争点は――
強制連行はあったか?
軍や国の関与はあったか?
二十万人という数字の根拠は?
売春婦か性奴隷か?
歴史教育の場で教えるべきか?
慰安婦の像は撤去すべきか?
などなど。
監督のミキ・デザキは日系のアメリカ人。この問題については第三者の立場にある。
だから右軍とも左軍とも積極的にインタビューに応じたのだろう。持論を聞いてほしい
と思ったのだろう。
(続く)