6月19日(水)朝日新聞東京版朝刊オピニオン面・インタビュー

俳優 渡辺美佐子さん   戦争の記憶 刻むため

戦後40年の節目の年に始まった原爆の朗読劇が今夏、幕を閉じる。広島や長崎で
被爆した母子の詩や手記を朗読してきたのは、戦前生まれの女優たち。戦後生まれが
8割を超え、戦争を描く劇やドラマも年々減っている。戦争の記憶をいかに継承して
いくのか。86歳の今も舞台に立ち続ける渡辺美佐子さんに話を聞いた。

(中略)

「劇は若い人にこそ見てもらいたいのですが、なかなか中学や高校で上演されることが
なく、残念です。上演できるのは広島や東京の一部の学校だけです。石原慎太郎都政に
なって以降、東京都内の公立学校ではますます難しくなりました。戦争を伝えることに
ついて、学校側が過度に委縮しているように思えてなりません」

(以下略)