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(続き)

ヨルダン川西岸では、入植地とパレスチナ人の町が入り組んでいるため、入植地間を
つなぐ道路を造るたびにパレスチナ人の土地が分断される。一方、新道路は入植を
加速させる。

道路は「パレスチナ人も使える」としてイスラエル国内法では合法とされる。
だが町長のマヘル・トマル氏は言う。「この土地から追い出されたら、道路なんて
意味がない」

道路の計画は2006年に始まった。住民の反対もあり、遅々として進まなかった。
それが今年、急に動き出した。6月には建設が始まる恐れがあるという。

祖父の代からの家を失う危機に、ヌジュムさんは言う。「10年も動かなかったのに、
なぜ今なのか。トランプ政権が後押ししているんじゃないか」。7人の子を抱え、
家を失ったら行くあてはない。

(続く)