京都新聞「窓」2018年7月21日
安倍政権 もう希望持てぬ    草津市・梅田 久子(無職・77)

 今月11日付本紙朝刊「時のひと」欄で、森功さんが第2回大宅壮一メモリアル
日本ノンフィクション大賞を受賞したことを知った。

 森さんの著書「悪だくみ」が3月の「読書」欄で紹介されていたので、
すぐに市立図書館へ行ったが、既に3人が予約待ちとのことだった。
順番を待って、最近読み終えたばかりだったので、「悪だくみ」が受賞作だと知り、
思わず手をたたいた。

 本書は、安倍首相が「腹心の友」と呼ぶ加計孝太郎氏の経営する学校法人
「加計学園」獣医学部の新設に絡む便宜供与があったのかを、首相の友達や閣僚、
官僚の関与の有無を丹念に調べ上げ、洞察力をもって事実に迫っていく。その過程は、
あたかもスクリーンに映し出される映像が次々と展開されていくように興味深かった。

 折しも今月5日に、西日本が記録的な大雨となる恐れがあると気象庁が
注意を呼び掛けていたにもかかわらず、自民党は議員宿舎で「赤坂自民亭」という
飲み会を開き、議員らが首相を囲んでグラス片手に満面の笑みで
カメラに納まっている報道にあぜんとした。危機管理の欠如や安倍1強のおごりを感じた。
もう、この政権には希望が持てない。