>17歳 紀友野鹿←(神奈川県 高校生) (2018年4月29日 朝日新聞 声)

▼学校で学ぶ度にこの国の理不尽さが見えてくる(一部地区版) 
▼今選挙に行きたいと思いません(東京本社版)

 選挙権が18歳以上に引き下げられたが、私は今、選挙に行きたいとは思わない。
政治に関心がなくなったのではなく、学校で新しいことを学ぶ度にこの国の理不尽さ
が見えてくるようになったからだ。

 核廃絶を目指す国連会議に、唯一の被爆国である日本が欠席したことは記憶に新しい。
私は修学旅行で広島、長崎を訪れた。皆一様に核の恐ろしさ、戦争の悲惨さを訴えていた。
その悲痛な叫びが議事堂に届くことはなかったのだろうか。

 国内に目を向けると、社会保障や子育て支援は貧弱で、震災後も原子力発電所は稼働
している。国民は秘密保護法で目隠しされ、憲法から9条が消えても国民主権が消えても
何も思わなくなるかもしれない。

 私たちは何のために勉強しているか。私は「正しい選択をするためだ」と思う。
知識は価値観をつくり、価値観は権力者が私たちをコントロールするときの強力な盾となる。

 しかし今、社会の仕組みや日本の歴史を一つ知るごとに我が国のおかしなところが鮮明に
なっていく。低投票率を憂える前に、投票に行きたくなるような日本の未来を私たちに思い
描かせてほしい。 

====ここまで「朝日新聞」の「リズム感」習得はそれはそれで凄い…