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さて、財務省の行為は「書き換え」なのか「改ざん」なのか。この点で読ませる記事は
毎日でした。14日付朝刊で、こう解説しています。

《「改ざん」の意味について、どの国語辞典も〈字句を書き直す〉という基本の意味
に、▷多く不当に改める場合に用いられる(広辞苑)▷普通、悪用する場合にいう
(大辞林)▷多く自分の都合のいいように直す意(日本国語大辞典)――と否定的な説明を
補う》

《改ざんの「ざん(竄)」は「穴」と「鼠」が合わさった字(会意文字)だ。大修館書店の
「大漢語林」によると〈ねずみ(鼠)が穴にかくれるさまから、一般に、かくれるの意味
を表す〉とある。漢和辞典編集者の円満字二郎さんは「竄はもともとは『字句を直す』
という中立的な意味だったが『ねずみが巣穴に隠れる』ところから生まれた漢字で
あり、中国の歴史書にも『こそこそ勝手に字句を直す』というニュアンスで使われて
いるのが目立つ」と話す。実際、竄匿や竄悪など否定的な熟語が多い》

なるほど。改竄の「竄」の字が常用漢字ではないため、各紙は「改ざん」と表記。
これでは悪質さが伝わってきません。

ただ産経は、13日の1面の見出しで「書き換え」という表現を使っていましたが、
他紙の社説に当たる「主張」欄で、〈都合の悪いことを隠すため、公文書をこっそりと
書き換えるのは改竄というべきである〉と書いています。改竄にはルビが振ってあり
ます。この手法はいいですね。元の字がどんなものかわかります。

  (続く)