五輪開会式後、深夜に観客大混乱「電車は終わりました」
2018年2月10日12時19分

 平昌五輪の開会式が終わり、スタジアムを埋めた観客が一斉に帰途についたのは
9日午後10時半ごろ。その先には、深夜に及ぶ大混乱が待っていた。

 「珍富(ジンブ)駅はこちらへ」。
スタジアムを出ると、最寄り駅へと誘導された。駅まではシャトルバスで20分ほど。
バス乗り場には、あっという間に200メートル以上の大行列ができた。

 気温は零度を下回り、冷え込んでいく。
音楽を流して楽しむ団体もいれば、イライラし出す人も。
遅々として進まない行列に、ある米国人男性は「輸送で、五輪の評価は決まるよね」。
1時間かかってバスに乗った時には、日付が変わっていた。


警察官の言葉に…

 午前1時になろうとするころ、駅に続々と、満員のシャトルバスが到着した。
東海岸の江陵(カンヌン)駅を目指す人が多い。
だが案内する警察官の答えは「もう電車は終わりました」。
思わずみんな天を仰ぐ。駅内にある出発時刻の案内画面も消えてしまった。

 タクシー乗り場に数十人の行列ができた。だが、ここは深夜の田舎駅。
タクシーは30分に1台ほどしか姿を見せない。
やがて「江陵駅へ車で輸送する」という案内が。一気にそちらに行列が移る。

 今度はカナダ人の女性が走ってきた。「1番線に電車が来るって!」。
その声を聞き、人々は一斉に駅へと走り出した。
江陵駅行きの電車がようやくやって来ると、人々をのみ込んで走り去った。