京都新聞「声」2018年1月19日
韓国に出向き首脳会談を     西京区・小原美貴子(主婦・53)

 平昌冬季五輪開会式への安倍晋三首相の出席が難しいとの見方が広がっている。
国会会期中だからと言い訳をしているが、国会会期中の2014年のソチ五輪には
出席したではないか。

 理由は慰安婦問題なのだろう。もしそうであるのなら、韓国に出向き、
非公式にでも文在寅大統領と会談し、二国間の問題について話し合うべきだ。
隣国と良好な関係を保つことが大切だと思う。それくらいのことができない、
あるいは頭が回らないのなら、何のために政治家、それも首相の座にいるのか。

 文大統領は年頭の記者会見で、元慰安婦を巡る日韓政府間合意について
「80年ほど前、花のように美しい少女一人も守れなかった国家が
被害者のおばあさんにまた深い傷を負わせた」と述べた。
国民のことを大切に思っているか否かを表している。これに類することを、
一度でも首相が発言したことがあるだろうか。

 韓国の民主化運動で前面に立ち、投獄されてもひるまなかった文氏に、
首相は太刀打ちできるだろうか。今、会談が実現しても、実のある話が
できるとは思えない。首相の姿勢は見苦しく映る。今回は会談が実現しないことで、
世界の耳目を集めなくて済むと、良いように考えることにしよう。