20年以上貯めこんだ「声」の切り抜き…宝の山じゃないかw 

2023年(令和5年)1月20日付大阪本社
変われるか「脱出しかない日本」       主婦 後藤 佐知子(神奈川県 76)

 私の手元に黄色く変色した22年前の新聞記事の切り抜きがある。毎晩の就寝前に、その
日に読んだ朝日新聞の切り抜きが習慣になっている。「声」や「ひととき」などの投稿欄
が多く、切り取らずにいられないものをジャンル別に保管している。
 記事は2001年1月10日の声欄に掲載された。当時73歳の男性の投稿だ。「10年後の日本、
脱出しかない」という見出しで、10年後の日本を想像している。国会財政は破綻し、製造
業は衰退し、教育は荒廃しているのに「歴史に残る欠陥首相と野党も含めての政治家、官
僚たちは何もしようとしない」と嘆く。
 そして「この国は間もなく沈むと思います。私は子供や孫たちに日本脱出を強く勧める
つもりです」とある。私は当時の投稿者と同じ年代になり、「私は間もなくこんな国にお
さらばできることをつくづくありがたいと思います」との言葉に共感する一方で、政治状
況は今も変わらないと思う。複雑な国際情勢に気候変動も著しい昨今、日本を脱出しても
住む場所が地球上にあるだろうか。20年後、30年後はどうなっているのだろう。子供や孫
たちがふびんだ。
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