>無職 土門良悦(宮城県 67歳 1949年生まれなら団塊世代)

「9条に自衛隊」賛否問う前に http://digital.asahi.com/articles/DA3S12965908.html

 憲法9条1項と2項を残して3項に自衛隊を規定する、という安倍晋三首相の改憲案について、報道各社の世論調査が出そろった。
「賛成」が多いという結果も、「反対」が多いという結果も出ているようだが、いずれも問うているのは「自衛隊の存在を明記」
することへの賛否で、それでは正確な民意ははかれないと思う。

 自衛隊は、2015年9月に成立した安全保障関連法によって、集団的自衛権の行使や、海外での他国軍の後方支援が認められるようになった。
それまでの専守防衛から大きく足を踏み出し、性質が全く変わったと言ってよい。

 ところが、おおかたの国民が思い浮かべるのは、災害救助や専守防衛を任務とする自衛隊のイメージではないだろうか。
それを好意的にとらえる世論が幅広く存在しているのは事実で、改憲派はこの機に乗じようとしている、と私には見える。

 世論調査で、たとえば「集団的自衛権を行使できる自衛隊」と明示したうえで憲法に位置づけることへの賛否を尋ねたら、
結果はどうなるだろうか。

 これから本格化するであろう改憲論議の際には、安保法制下にある自衛隊の現状を踏まえて議論していく必要があると思う。

(2017/06/01 声 朝日新聞)