10月16日付アカヒ東京本社版に掲載の「声」
ノーベル賞「候補」でもうれしい  無職 大谷陽一(神奈川県 66)

 退職してから肩書がなく殺風景だった私の名刺に、2カ月前「2014年ノーベル平和賞候補」の文字が加わった。
文房具店で印刷を頼む際、店員がびっくりした顔で私を見たので、
「あなたたちも候補なんですよ」と教えてあげた。

 私のこれまでの平凡な人生の中で、一度も戦争を経験しなかったことが最大の幸せのように思える。
憲法9条と現実の日本の姿に隔たりがあることは認めるが、今回「日本国民」が
平和賞の「候補」になっただけでも、私には十分うれしい。

 しかし、知人や初対面の方に名刺を渡した時、私が期待するような反応が返ってくることは少ない。
あのノーベル賞の候補なのに、どうして喜べないのか。
憲法への国民の関心はまだまだ薄い。
多くの人が命を落とした過去の戦争について一人一人が真剣に学ぶこと、
そして戦後9条が存在しなかったらどうなっていたかを自分の頭で想像してみること、が必要だろう。

 安倍内閣による集団的自衛権の行使容認は、一方的な閣議決定であり、9条を骨抜きにするものである。
ノーベル平和賞は、この行使容認が撤回された後に、ぜひいただきたい。



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