>>618

世間では、あまり語られることがないが、5・15事件の首謀者で犬養毅を暗殺した三上卓は、河上肇にオルグされたことから
戦後、赤軍派を支援するようになった。ゾルゲ事件の協力者、川合貞吉は、北一輝の熱烈な信奉者で、
戦後、「北一輝」という本を書いている。ムッソリーニがファシストになるのは、共産主義運動からである。
何回も言うが、ハイエクは、「隷従への道」で、「ファシズムを生み出したのは、社会主義である」と書いている。
日本研究家のマイルス・フレッチャーは、「知識人とファシズム」という本で、近衛文麿と「昭和研究会」について、
「マルクス主義に近い考えの人達が、ファシズム的方向の政治をしている」と書いている。
戦後の私達は、今の左右対立構造を見て、誤解しているのではないかと思う。昔、左翼と右翼は、一つの物体だったのではないかと個人的に思っている。
それが、何かの事象で分裂し、対立していったと考えれば、ストンと腑に落ちる。
日本の特徴は、戊辰戦争での賊軍側が、反薩長と反欧米から過激思想に発展し、その中から大アジア主義に繋がり、無政府主義、農本主義や社会主義思想に発展したのではないかと思う。
それとは、別ルートで、海外から共産主義思想も入り込み、合体していったと考えている。
別れたのは、モスクワでのコミンテル大会で、「天皇制打倒」が決議されてからと思う。