最近の中国による海洋進出、一帯一路の如何わしさに、昔、親中派だった者が、中国脅威論者に変わる傾向は
アメリカに多い。藤井厳喜氏も言っていたが、今のアメリカ民主党は中国を敵対視することでは、トランプに負けないそうだ。
アメリカ民主党と支持の識者、マスコミが90年代に「米中G2」を煽り、「中国は、ステークホルダー」と無邪気に叫んでいたのは
何だったのだろうと溜息が出る。ミアシャイマーと中国の台頭は、脅威か平和かで激論した「中国の台頭は、平和的台頭」を
主張していたブレジンスキーも今は中国脅威派に変貌してしまった。ただし、ミアシャイマーに詫びを入れたということは聞かない。
親中派だったピルズベリーも「中国の夢 100年マラソン」という本で、中国脅威派になったことを中国の動きを分析し、自ら述べている。
何と実は、日本にもいたのである。小原雅博氏と言えば、やはり、90年代後半に「人間の安全保障」や「東アジア共同体」を提唱したことで
有名であるが、昨年後半に出た「日本の国益」(講談社現代新書)で、中国脅威論を展開し、その対抗戦略も述べている。
中国の一連の動きを地域覇権構築の動きと認め、それに対抗するには、日米同盟を機軸とすて、同じ価値観を共有する国とも連携する
ハブ・アンド・スポークの繋がりで中国の動きを止め、国際社会の法秩序に取り込んでいかなければならないと主張している。
中国の台頭が怪しげになったという現実認識を持てば、自分が一番大事にするものを守らなければならないという意識を呼び覚まし、
それは、今の日本の能力での最善の安全保障策を模索するようだ。そういう意味では、小林も武田邦彦も東アジアのリスク要因の国を
まだ認識していないか自分が一番大事にするものが海外にあるかのどっちかだと思う。