>>214

まだ、バック・パッシングは国家戦略にはなっていないよ。
今のアメリカのアジア・太平洋方面の基本戦略は「新太平洋戦略」だよ。
中国を大陸に封じ込め、アジア・太平洋のブロックが経済・政治で上手くいけば、
中国、ロシアに、このブロックに入るよう選択を迫るはずだ。
この「新太平洋戦略」は「台湾」が攻防の焦点になる。中国に台湾を取られれば、
太平洋進出への玄関を明け渡すことになる。当然、台湾は大きな海軍基地化するこになり、
西太平洋はアメリカ海軍と中国海軍が一触即発のクロス・オーバー地域になる。
中国の周辺地域への政治プレゼンスは拡大していくことになり、アメリカは戦線の
態勢を立て直す安全な線である、第二列島線まで撤退せざるえなくなる。
アメリカが「新太平洋戦略」を捨て、バック・パッシングを考えるのは、まさに
この時だろう。アメリカは中国との均衡を考え、中距離の核武装を支援したとしても、
日本のリスクは「新太平戦略」時代に比べ最大になる。中国は広大であり、日本の国土は
非常に狭い。だから、毛沢東も朱成虎将軍もアメリカに対して「中国の人口が半分になっても
最後に勝つのは中国だ」と強気に挑発している。
日本がこのリスクを回避して、政治プレゼンスを拡大して自立するチャンスは、現在の
米中対立の構図を利用するのが効果的で効率的なのだ。アメリカは総体国力を低下させた分
米軍を再編させ、友好国や同盟国に軍事負担を頼らなければやっていけなくなっている。
当然、「ビンのフタ」論など、遠い昔の話になっている。日本が積極的に周辺地域に対して
防衛上コミットしていけば、「新太平洋戦略」を助けることにより、中国の海洋進出に強い
牽制になり、第一列島線から出さないことになり、日本とアジア太平洋諸国とアメリカの
利益は守られるこになる。前のレスでも言ったが、地理的主権線(領土・領空・領海)だけ
守ることだけを考えず、広く戦略的利益線(シーレーンや第一列島線など、領海を越えた国家の
生存に必要な利益線)も守ることを考えることが、
現在の日本がコストとリスクを押さえて、効果的、効率的に自立する戦略になるはずだ。