>>879
あなたはいくつかの論点に混乱している。
まず、当時、病気が祈りによって治ると信じられていたというが、
医療ではなく祈祷によって信じられていたかとお思いか?当時は医療の担い手は仏教僧だったが、医療でなく祈祷によって治ると広く信じられていたなら彼らは何のために医薬品などをあつらえて医療をしたのか?
また加持祈祷というのは、彼らが主に密教僧だったため、投薬などの施療に際しても必ず加持祈祷をする。それは一体で、加持祈祷に主眼があって医療がオマケということではない。
何事も経典に沿って諸仏の力を借りて一切を行う。
薬師如来像を見れば必ず小さな薬壺を持っているだろう。密教ではインド由来の知識が全て経典や相伝で受け継がれた。これは一体なのだ。
それが広まったのが鎌倉期だ。むろん中には無知な人々もいたろう。そういう人々を相手にいい加減な祈祷法で釣る日蓮のような連中もいた。日蓮が無料で医療を施す忍性を激しく憎んだ理由もこの辺りにあるのではないか。
当時、祈祷だけでは治らないという法然の認識が一般に異端視されたという事実はない。