雨が上がった夕刻。陽が紅く照らす裏道。主水が肩を落として歩いて来るとそこへ島忠助がやって来る。
「やぁ、島さん」
「あ、これはこれは中村さん、お疲れ様でした。」
「もうお帰りですか」
「えぇえぇ、よる年波には勝てんですわ、はははは」
島忠助、ゆっくりと主水の背後にまわり、
「どうですかな、今夜一杯…」言い終わらぬうちに刀の鍔を上げ主水に切りかかる。