■テレビ業界では競合タレントを使わないよう圧をかけてきた

 2019年7月17日、ジャニーズ事務所が公正取引委員会から「注意」を受けたことが報じられた。ジャニー喜多川氏の死去から8日後のことだ。具体的には、ジャニーズ事務所が民放テレビ局などに対し、元SMAPの3人(新しい地図)を「出演させないよう圧力をかけていた疑いがある」とされた。

 ジャニーズが競合するタレントや退所したタレントに対して圧力をかけるという噂は、それまでもさまざまに囁かれていた。それがはじめて表沙汰となったのがこのときだった。

 ジャニー喜多川氏が、直接“圧力”をかけようとしていたことを示す証言もある。『ミュージックステーション』のプロデューサーだった皇達也氏は、他のプロダクションの男性アイドルの出演を考えていた際、ジャニー氏から「出したらいいじゃない。ただ、うちのタレントと被るから、うちは出さない方がいいね」と、いわゆる“タレント引き上げ”をほのめかされたと話している(『週刊新潮』2019年7月25日号)。

 これに対して皇氏が反論すると、結果的にジャニー氏は引き下がったとこの記事ではまとめられているが、実際のところ『Mステ』にはジャニーズと競合するアイドルグループが出演しにくい状況がいまも続いている。たとえばそれが『紅白歌合戦』にも出場したJO1やBE:FIRST、Da-iCEなどだ。そこで“圧力”は確認できないが、なんらかの不自然な状況──おそらく“忖度”が生じている。