本がファイザー社に足元を見られている何よりの証拠 
 首相訪米のもうひとつの裏ミッションは、供給が大きく遅れているコロナワクチンの確保だったと見ます。しかし、バイデン大統領から「協力する」という言及はなく、菅首相はワシントンからファイザー社のブーラCEOに電話をかけて、追加の供給を要請しました。帰国後、首相は国内の対象者に必要なワクチンに関して「9月までに供給されるめどが立った」と胸を張りました。

 しかし、電話なら東京からでもかけられるはずです。この点を外務省の担当者に質問してみました。すると答えは「時差がなければ体力的に楽だから」と苦しい説明でした。しかもブーラCEOは、その日ニューヨークにいたそうです。一国の総理が相手であれば、「こちらから行きます。ワシントンでお会いしましょう」と申し出るのが普通ではないでしょうか。総理大臣が自らニューヨークへ電話してワクチン供与をお願いするというのは、日本が足元を見られている何よりの証拠といえるでしょう。