安倍首相、生活保護費の切り下げを決定。
「物価が上がっているため」年間180億円。加計学園への交付金とほぼ同額。

社会保障の「最後の安全網」と呼ばれる生活保護制度。
生活費にあたる「生活扶助」を年間160億円(1・8%)削減する方針を政府が決めた。
2018年10月から3年間かけて段階的に減らす。

 国の見直し作業を取材した者として、どうしても納得できないことがある。
約212万人いる制度利用者の意見を、直接聞き取る場がただの一度もなかったのだ。
この点を厚生労働省の担当課に会見で問うと、家計の状況は各種調査で把握し
主観を排した科学的検証をした、という趣旨の答えが返ってきた。

 この理屈はおかしい。学識者による検証の重要性は言うまでもないが
切実な暮らしの実情を最もよく知る「専門家」は利用者だ。
障害者福祉分野では「私たち抜きで私たちのことを決めないで」
という理念への理解が浸透している。認知症施策の推進戦略「新オレンジプラン」も
本人の視点の重視を掲げる。生活保護を例外扱いするなら
制度と利用者への潜在的な差別だと思う。

https://digital.asahi.com/sp/articles/DA3S13359813.html