厚労省・制度部会 医薬分業のあ?り方、議論は“堂々巡り”
2018年10月19日


 厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会は18日の会合で、厚生労働省医薬・生活衛生局が
提示した、薬局・薬剤師に関して「法令上明確にすべき」医薬品医療機器等法の改正論点に
ついて、議論した。第一声で日本医師会の中川俊男副会長は、論点を含むすべてを全否定。
「資料を全面的につくり直してほしい」などと訴え、医薬分業の「大局的」議論を求めた。

 一方、各委員は法制化によって薬局、薬剤師における医薬分業の“粛正”は支持。しかし、議論は
分業のあるべき姿に対して、堂々巡りが続いた。このため、森田朗座長(津田塾大教授)は
「拡散する(議論が)ずっと続く可能性がある」と部会の流れを憂慮。次回以降は、法改正に必要な事項を
「優先的に議論する」ことを宣言し、事務局に資料の作成を要請した。

 18日の会合で厚労省が示した医薬品医療機器法改正の論点は、「医薬品の服用期間を通じて」の
服薬状況の把握指導と、「必要に応じて処方医等」への情報提供、さらに薬局の機能の明確化だ。

 中川副会長はこうした論点を一蹴。「本来の業務がまだしっかりできていない」なかで「さらに上を
めざして法制化することに違和感を覚える」と指摘した。さらに、その違和感は、次回診療報酬改定で
「新たな調剤技術料の項目が目に浮かぶ」と指摘、調剤報酬のプラス項目につながることをけん制した。

 薬局の機能区分に関しては、日本薬剤師会の乾英夫副会長が解説。最低限の機能を持つ
「基本的な薬局」と、地域密着型の「かかりつけ薬局」、そして「高度薬学管理機能を持つ薬局」の
3類型を説明した。ただ、最低限の機能という基本的薬局に関して、ささえあい医療人権センターの
山口育子理事長が反発。「最低限やっているところを基本と位置付けるのでは今までと何も変わらない」と
糾弾したうえで「法制化すれば、やらないところは薬局ではない」点も強調した。この意見には
津田塾大の伊藤由希子教授も「レッドカード。退場を求める」などと同調。薬局、薬剤師への
ペナルティの必要性が俎上に載った。