https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170809-OYTET50025/
2017年8月9日 精神科の拘束、日本突出…器具普及、運用あいまい 背景か
精神科病院で行われる身体拘束は、10年前に比べ2倍に増えているという。
日本の精神科病院で拘束を受けた後に急死したニュージーランド人青年の遺族が、日本の医療関係者や弁護士、患者家族らと不必要な身体拘束をなくすよう求める会を設立。
国内外に訴え始めた。

今年5月に死亡した次男のケリーさん(当時27歳)は大学で日本語を専攻。
一時精神状態が不安定になったものの回復し、2年前から鹿児島県の小中学校で英語教師として働いていた。
だが今春、首都圏に住む兄の自宅滞在中に双極性障害(そううつ病)になり、近くの精神科病院に緊急入院。
到着時は穏やかで指示通りにベッドに寝たところ、手首と腰、足をベッドに拘束され、10日後に心肺停止状態で発見された。
「いつも笑顔で、誰もが慕う先生。突然で、言葉もありません」と受け入れ先の学校関係者は肩を落とす。
死後、遺族が開示請求をした診療記録によると、入院4日目から「静穏」だったにもかかわらず、身体を拭く時間以外、拘束され続けていた。
病院側は取材に対し、「提訴予告を受けており、一切話すことができない」としている。