わが国の精神医療は入院医療に大きく依存しており、医療費のほとんどが私立精神科病院で使われています。
入院医療の質はたびたび国際機関から批判声明が出されるほど、国際水準から見て劣悪といえます。

■世界の主流は地域精神医療

たとえば、カナダのバンクーバーは、世界でも先進的な精神医療を実践している地区です。
平均の入院期間が1週間から10 日で、日本のような超長期入院の方は、ほとんどいません。
多剤大量療法といわれる、日本の精神医療を特徴付ける薬漬けもありません。
イギリスやイタリアをはじめとする欧米各国も、このような地域ケアシステムが出来上がっています。
すでに世界の趨勢は地域でのケアが当たり前で、医療と生活、人権の尊重がバランス良くシステム化されています。

■人権が尊重されない日本の精神医療

しかし、日本の現状はどうでしょうか。相変わらず、薬漬けにより当事者は苦しめられ、
慢性化して閉鎖病棟に長期間閉じ込められています。病気は治っているのに、地域での支援が無いために
入院を継続している社会的入院者が数万人おり、毎年2万人を超える方々が精神科病棟内で亡くなっています。
退院後の生活を支えるグループホームの数も多様性も全く足りません。不当な入院継続などを審査する
精神医療審査会制度もほとんど機能していません。人権の尊重には未だに遠い現状です。

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