【民事事案 (取引信用保険)】
●「《東京海上》 経営破綻した英グリーンシルとの取引信用保険契約を調査 《契約時の債権額を巡り》」 (「日本経済新聞:2021年3月11日 10:14更新」)

<出典> https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF110KK0R10C21A3000000/

「3月8日に経営破綻した『英金融会社グリーンシル・キャピタルをめぐり、東京海上ホールディングス(HD)が同社との保険契約を調査していることがわかった』。
 グリーンシルが持つ売掛債権に対して補償する『取引信用保険の契約を結んでいたが、グリーンシル側で契約の前提となる債権が架空計上された疑いがあるためだ』。」

「東京海上は子会社の豪保険代理店BCCを通じ、グリーンシルが持つ顧客企業の『売掛債権約8000億円を対象に取引信用保険を提供していた』とされる。
 グリーンシルは顧客企業が製品を販売するときなどに持った売掛債権をまとめて流動化し、投資家の運用対象としている。」

「東京海上はこの保険契約について有効性に疑いを持って調査を始めた。
 保険の前提となる『売掛債権が架空計上された疑いがあるためで、架空計上であればそもそもの保険契約が成立していなかった可能性がある』。」


「企業間金融を手掛けるグリーンシルは、証券化商品の提供先だった運用会社から取引を相次ぎ打ち切られ経営に行き詰まり、『3月8日に倒産法に基づく会社管理手続きに入った』。」

「グリーンシルの保険を巡っては東京海上側で『社内規定に違反してリスクの制限を超えた引き受けをしていた』こともわかった。
 東京海上内で2020年5月に規定違反が判明し、6月以降にチェック体制やシステムの強化などの再発防止策を講じている。」


「東京海上は2019年4月にグリーンシルとの保険契約の窓口になったBCCを豪保険大手IAGから買収していた。
 グリーンシルとの保険契約はIAGが持ったままだが、『契約の一部について東京海上が再保険契約を結んでいた』。
 東京海上は「業績予想の変更はない」とコメントしている。」