実際、年初に3500円程度だった株価は、一本調子で上昇し、今月3日に8000円台を
つけている。

株価倍増は珍しいことではない。ただ、重田康光社長(48)が率いる、あの光通信である。
市場からは、「意外というか、不気味な値動き」という声も漏れてくる。

重田氏は、ネットバブル全盛期に良くも悪くも話題に上った。
携帯電話を販売する「HIT SHOP」を全国展開し、96年に史上最年少の31歳で株式を
店頭公開。99年には東証1部に昇格した。
まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで、99年の米フォーブス誌では約2兆6000億円の資産を持つ
世界5位の大富豪にランクインしている。

だが月刊誌の記事で光通信の闇の部分が表沙汰になった。
「寝かせ」と呼ばれる携帯電話の大量架空契約が発覚し株価は最高値24万円から3600円台まで
下落。20日連続のストップ安という不名誉な記録も打ち立てた。

「光通信は投資にも熱心で、ライブドアやクレイフィッシュ(現e―まちタウン)、
サイバーエージェントなどに出資した実績があります。ところが、出資企業で闇の勢力が絡む
乗っ取り事件が起き、重田氏もダーティーなイメージに染まった。それ以降、重田氏は表舞台から
姿を消しています」(証券関係者)