島忠、書店やカフェ融合の新業態に挑戦

ホームセンターが入る1階からスロープで2階に上がると、
落ち着いた雰囲気のブックカフェが見えてくる。
奥には「眠る」「食べる」「育む」など12のテーマごとに家具や本、
雑貨を集めた売り場が並び、フロアの一画には子供が遊べるスペースも備える。

関東や関西で58店舗を展開する島忠が2018年12月、リニューアルオープンさせた
「ホームズ新山下店」(横浜市)だ。
島忠の店舗は家具売り場とホームセンターの融合が特徴だが、
ホームズ新山下店は既存の売り場イメージを一変させる大改装に踏み切った。

コンセプトは実際の家で過ごすような「体験型の暮らし提案」ができる売り場だ。
家具と書店を合わせた新業態を実現するため、TSUTAYA(東京・渋谷)と
フランチャイズチェーン(FC)契約を締結。
居心地を重視した売り場づくりが功を奏し、改装後の客足は好調という

17年に岡野社長が就任すると、構造改革に着手。独立性が強かった家具と
ホームセンター部門の縦割りを解消し、より一体的な人員配置や売り場の
改装ができるようにした。共通ポイント「Tポイント」を導入し、
顧客の購買動向の分析にも力を入れている。

岡野社長は「来店したからこそ感じられるネット通販にはない
『ワクワクする空間』を提供したい」と強調する。新山下店での
試みはその第一歩だ。新境地を切り開き、再び成長軌道に乗せられるか。
40歳代を中心とする若い経営陣の手腕に注目が集まる。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40036980V10C19A1L72000/