>>794
130 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/01/13(火) 20:49:35 ID:FKvKP9i2
本当の戦場じゃあ、蜻蛉に構えて『エイヤ―(゚∀゚)―ッ!!』とか言ってる暇、無いんだぜ?
筑前黒田家家臣・野口一成の戦場講座のお話。

数多の戦場を駆け抜け、黒田二十四騎の一角に数えられた猛将・野口一成。
石垣積みの名人としても名を残す彼だが、自分自身も大変な武辺者であったという。
そんなある日、筑前黒田家である兵法家が道場を開き、剣術指南を行ったことがあった。

黒田家家臣>>それなら、野口殿を呼ぼうぜ。あの人の武勲は凄いからな、
        すげえテクニックとかあるに違いないぞ!!。゚+.(゚∀゚*)。+.゚

だが、実際に一成に試合をさせると…希望は失望に変わった。
兎に角、突き、突き、突きの一本槍しか出来ない幼稚な剣術だったからだ。
しかも、相手が太刀を振り下ろすと、何と一成、自分の左腕でそれを受け止め、
平然と右手で握った太刀を突き出そうとする。さすがに兵法家が怒った。

兵法家某>>何処の世界に、自分の左腕を斬り落とされながら戦う武者が居るんだ。
       いい加減、腕で受けるとか止めて真面目に戦え!!

これに憤慨したのが野口一成。胸を張って言い返した。
野口一成>>いや、俺はこの戦法で今迄、数多くの武勲を立てて来たんだ。嘘だと思うなら
       証拠を見せてやる。俺の屋敷に来いってんだ。m9っ;・`ω・´)っ

野口一成は自分の屋敷に兵法家を招くと、具足櫃の中からある物を取り出してみせた。
左手に嵌める、頑丈な鋼鉄の篭手だった。無数の太刀疵痕が残っている。

野口一成>>楯の代用として、特に念入りに筋金を入れさせた。俺の戦場流儀は、いつもこうだった。

次に見せた戦場太刀は、直刀に近いような錆だらけの太刀だった。刃の反りは曲がっており、見かけは粗末だ。
しかし尖端には磨き上げられた様な切っ先があり、頑丈さに掛けては"とても折れそうにない"ような出来だったらしい。