>>865
ポリッ
人間は手にしたものを口に入れた。すべてを食べるのはあっという間だった。
「やわらかくておいしいな」
「なんてことしやがるです」
グイ
わずかに残っている前髪をつかみ翠星石は宙吊りにされた。
「ヒッ、痛いですぅ。もう嫌です、やめてほしいです」
「なんか言ったか」
人間は翠星石をもったまま歩き、再びフックにかけた。外れないように念入りに。
「も、元通りですか。結局」
「逃げられるわけねえだろ」
そして人間はペンチを取り出し、左足の親指にあてた。
「おいしそう」
「バカ人間、何する気ですか! やめるです!」
ポキ
「ふぎゃ!」
人間はペンチで親指をねじりとった。そして用意してあった小皿のマヨネーズにそれをつけると口の中へ。
コリ
「まことに美味なり!」
「人形の指食べるなんて・・・」
人間は再びペンチを手に取り残りの指を取りにかかった。
ポキ コロン ポキ コロン ポキ コロン ポキ コロン
「フギャァァァァァァァァァァァァァ!」
翠星石が悲鳴を上げる。それをBGMにして人間は床に転がった埃まみれの指をマヨネーズにつけすべて口に入れた。