また過去に戻ったほむらは、泣きながらまどかにすべてを話す。
自分は未来から来ている事、どうにかしないとまどかが死んでしまうという事。
ボールを取りに帰っただけなのにひどく疲れ切り泣き腫らしたほむらの顔を見て、まどかはそれを信じる。
事故にも火事にも気をつけるよとまどかは誓う。
安心したのも束の間、またしてもまどかが死んだと聞かされた。
今度もワルプルギスの夜で、まどかだけではなく幼い弟も亡くなったという。

過去に戻るほむら。そのやつれ果てた顔にまどかは驚く。
だがほむらはなにもわけを話さず、ただ一言訊ねた。
「あなたの一番大切なものはなに?」
「私はお姉ちゃんだから弟が一番大切だなあ」
まどかはそう胸をはり答える。もうどうしようもない、ほむらは何もせずに帰った。
やがてさやかが魔女になって亡くなったと聞かされた。
ほむらはさやかの通夜に出た。それきり過去には戻らなかった。

まどかがボールを片手に戻ってきたので、ほむらは回想を終える。
どこかまどかの様子がおかしい。
いつもは明るい笑顔のまどかが、おびえたようにほむらを見上げる。
その表情からほむらは全てを察する。まどかもかつての自分のように戻ってきたのだと。
そしてこれから自分の身になにかが起こり、まどかはそれを阻止しようとがんばっているのだ。
「もう私のためにがんばらなくてもいいのよ」
そう言うほむらに、号泣しながらまどかは抱きついてきた。