Wikipedia、目標の13億円を1カ月半で達成
2011年1月5日(水)09:54 (WIRED VISION)
Nate Anderson

Wikipediaは2010年11月15日、年間運営費2000万ドルをまかなうための資金集めキャンペーンを開始し、1600万ドル(約13億円)という目標額を発表した。
そして同サイトは1月1日、目標額を達成したことを明らかにした。Wikipediaにとって、これまでで最も速い目標達成だという。

今回の寄付金キャンペーンにおいて、Wikimedia財団の名誉理事長Jimmy Wales氏は、Wikipediaについて、
「多数の人々にとってきわめて重要な公的資源だ。無料で使用でき、偏見や干渉がなく、広告も掲載されていないこのサイトが存在していることを、人々は当然と思うようになってきている」と述べていた。

140カ国、50万のユーザーが、Wales氏の主張に賛同した。平均寄付額は22ドルで、1カ月半で1600万ドルの目標額が達成された。
比較すると、2009年の寄付キャンペーンでは、24万人の個人による寄付で800万ドルしか集まらなかった。

集まった資金は、Wikimedia財団で働くおよそ50人のほか、サーバーやバックエンド技術に対する支払いに充てられる。
[Wikimedia財団は2003年に設立。はじめはWales氏の個人プロジェクトであり、その所有権は寄付された。カリフォルニア州サンフランシスコに事務所がある。]

Wales氏は「感謝の言葉」の中で、
「ウィキペディアは世界で5番目に多く閲覧されているウェブサイトになりましたが、そのスタッフや設備、予算は、上位10番目のどのウェブサイトと比べて、何分の一にも満たない」と述べている。

[『ネイチャー』誌に掲載された、Wikipediaと『ブリタニカ百科事典』を比較した記事から、両事典に含まれる誤りの割合は、多くの専門的なテーマで同程度であるとされている(日本語版記事)。
なお、Wales氏に関しては、Wikimedia財団での「経費使い込み」に関する2008年の日本語版記事や、
自分に関係したWikipedia項目を頻繁に書き換えていたことが発覚して議論を呼んだ件についての2005年の日本語版記事などがある]

[日本語版:ガリレオ-向井朋子]

http://news.goo.ne.jp/article/wiredvision/nation/2011news1-28817.html