そして第二には、それが題材としても
じゅうぶんに優れた作品であるからだといえるだろう。
たとえば高校生の主人公が、同級生の少女が
ひきこもっているのをなんとかしてあげたいと奔走する物語である。
その過程において、主人公は少女と仲良くなり、

彼女の家族とも交流を持つようになるのだが、
その過程で彼はさまざまなことを学ぶし、
それによって彼自身もまた成長していくことになる。
そういう意味でこの作品は「成長の物語」であり、
それはつまり、いま現在の私たちにとってとても身近で共感できるテーマを
扱った作品でもあるわけだ。