>>73続き)

サノ:最後にちょっとイジワルな質問なんですけど…
   いくら価値観が近い人が集まっても、
   いさかいや中傷って生まれちゃう気もして。
   ぶっちゃけ、西野さんのサロン内でいさかいってないんですか?

西野:ああー、むっちゃありますね。
   というか、当初むっちゃあったんで、
   片っ端から全部システムで解決していきました。

サノ:でもメンバー6万2000人いるんですよね!?
   1対1のもめごとでも大変なのに、いったいどうやって…

西野:僕から言えるとしたら、本当に徹底的にシステムで
   解決していくってことですね。たとえば注意する人がいると、
   注意された側100%自分に原因があったとしても、
   どうしてもちょっと不快じゃないですか。
   だから、注意することなくその人が問題を起こさないようになるには
   どうすればいいかっていうのを一個ずつ設計していくんですけど…
   「アフォーダンス」ってご存じですか?
   「デザインや環境によって、人の行動を変えさせること」で。
   たとえば、男性トイレの小便器にターゲットシールって
   貼ってあるじゃないですか。あれって、「おしっこ飛ばすな!」
   って貼り紙で注意するとイラっとしちゃうから、
   「注意することなく言うことを聞いてもらうための仕組み」
   としてやってるんですよね。

サノ:ああ〜! あれか!

西野:あと僕、今まあまあデカイ声でしゃべってますけど、
   もし隣りですごく静かなイベントやってたとしたら、
   これすごい迷惑ですよね。
   じゃあ、誰に注意されるまでもなく僕が自然に
   「声のトーンを落とそう」と思うためにはどうすればいいかというと…
   照明を消してロウソクを灯せばいいんです。
   ロウソクは「ボリューム落とせ」ってメッセージを
   嫌味なく発してくれるシステムなんですよ。
   そこを変えるだけで、誰が注意するまでもなく声のトーンは落ちる。

サノ:(これを秒で思いついちゃうあたりが“アイデアマン”だよな…)