>>987続き)

西野:
「サラリーマンの働き方しか知らないこと」です。
今、情報格差がありえない速度で加速してると思うんですよ。
テレビで「クラウドファンディングとクラウドソーシングでお金とスタッフを集めてます」とか言うと、
ホントに宇宙人みたいな扱いを受けますから(笑)。
「なんかよくわかんないけど、悪いことしてるんでしょ?」みたいな。

サノ:
たしかに僕も、「会社からお給料をもらう」以外の働き方、あんまりよくわかってないかも…

西野:
結局、「自分の意志で選ぶこと」が人間の“幸せ”につながってると思うんですよね。
サラリーマンの働き方、フリーランスの働き方、オンラインサロンの働き方…
いろんな働き方のいいところ悪いところを知ったうえでサラリーマンを選んだ人は、
かなり幸福度が高いはず。
でも、サラリーマンの働き方しか知らないと、サラリーマンの悪いところしか見えないんです。
不満や文句は出ても、いいところや改善策は出てこない。

サノ:
つまり、「サラリーマンの働き方しか知らない人」のほうがマジョリティで、
国や企業など「上」側からのアクションしか起きてないことが、今の働き方改革の問題点だと。
盲点すぎる…!!!

西野:
だから、働き方改革を本気で前に進めたいなら、みんなそろそろ一回先入観なしで、
堀江(貴文)さんみたいな「普通と違う働き方」をしてる人のことを見たほうがいいです。
“今までと違った働き方”を“会社のメリット”込みで主張できるビジネスパーソンが増えない限り、
働き方はきっと変わらないので。
サラリーマン側の話をしましたが、「会社側」のほうにもちょっと思うところがありまして。
会社はもう、「事業に必要な人材を雇って、固定給を支払う」という働き方をやめたほうがいいと思います。

サノ:
そ、そんな根本から!?

西野:
“会社”という仕組みの一番のネックは、「一度チーム(部署)を作ったら、
仕事がないときでもお金を払いつづけなきゃいけないこと」だと思うんです。
たとえば、とあるクリエイティブ企業に映像チームがあったとすると、
「今月映像の仕事なかったな〜」って月でもメンバーには月給を払わなきゃいけない。