【サロン 2018年1月23日の投稿】才能の枯渇とどう付き合うか?

映画『えんとつ町のプペル』の制作&宣伝を進めたり、
『レターポット』の改善&宣伝を進めたりしている裏で、
次回作の絵本『チックタック 〜約束の時計台〜』の制作も進めている。

今回は『絵コンテ』のチームも作って、僕が描いた絵コンテをもとに、
「いやいや、コッチの角度からカメラを狙った方がいいんじゃねえの?」
「ここは、もう少しカメラを後ろに引いた方がいいんじゃねぇの?」
と意見を出し合い、絵コンテだけでも数百枚。

ガンガンに手と口を挟みながら、しかし、
「いつまでもこのままじゃいけない」
「こんなやり方が長続きするわけがない」とも思っている。

先日、小室哲哉さんの会見で一番頭に残ったのは、
不倫のことでも、引退のことでもなく、
「才能の枯渇」という言葉だった。
あれだけの男でも、やはり老いには抗えなかった。
宮崎駿さんもそうだし、三谷幸喜さんもそうだ。
大好きなので認めたくないけれど、もう全盛期を過ぎている。

横に並ぶのは恐れ多いが、こうして僕のパンチが当たるのは今だけで、
きっと10年後には、もう僕は古くなっている。
 
ダウンタウンの松本人志さんは、その辺りが上手くて、
自分の作品が通用しなくなったと見るや、クリエイターから、
オーガナイザーの方に、しれ〜っとシフトチェンジした。 
『ドキュメンタル』や『すべらない話』の立ち位置だ。

ただ、やっぱり僕は『作品』からは離れたくないな。
40歳になっても、50歳になっても、60歳になっても、
新作を生み続けたい。
そして、常に時代を捉えておきたい。

そう考えると、現場の最前線で戦いながら、その間に、
自身がクリエイターで居続けられるシステムを作った
ウォルト・ディズニーと秋元康は天才だな。

歳を重ねることで衰える部分は外注して、
歳を重ねることで伸びる部分だけを担当している。

30代の自分の力に頼り過ぎずに、そこにいかなきゃいけねーな。