>>442続き)

「(美術館が建つ予定の)更地に入るのに、入場料をいただいて、お土産として、
そこから出たゴミを販売するという、それだけ聞くと、なんだかひどいですね(笑)」

更地のど真ん中に、美術館の完成イラストを1つだけ展示する予定なのだとか。
「1000平米の土地に、額装した絵が1枚だけある。異様な光景ですよね。
でも、それだけじゃおもしろくないから、その絵の中にある建物をAR(拡張現実)
で抜き出して地面に置き、それを拡大して中を歩くというのを、
来場者にやっていただこうと思っているんです。
これは、更地のうちしかできないこと。だから、入場料が発生するという……」

「僕は、見たことがないものを見たくて、人がやったことがないことをやりたい。
ずっとそう思ってきたんですよね。で、飲みの席とかで友達に、
『こんなことやりたいんだけど、いけるかね?』って聞くと、
だいたい『いける!』って言われて。全部友達のおかげですね。
僕はただ、こんなことやりたいって言っているだけなんで。
友達に恵まれたのかもしれないな」

既存の概念をぶちこわすようなアイデアや企画は、時に世間からバッシングを受ける。
けれど、周りにいる友達だけは、いつもおもしろがって、後押しをしてくれる。

「子供の頃からそうだった。他の人からは後ろ指さされるようなことも、
周りの友達は、『それ、サイコーだよ!』って、ゲラゲラ笑ってくれる。
で、『コイツらが笑ってくれれば、それでいいか』って。親も、そうだったな。
とくに父ちゃんは、なんでも『オッケー、オッケー』な人でした。
家の前の公道に盛大に落書きして、近所の人から怒られても、
父ちゃんだけは、『オッケー、オッケー!』。
みんなからダメ出しされても、自分が好きな人たちに
いいって言ってもらったら、もうそれで十分ですよね」

「挿絵っていうか、すっごいエロい絵ですね。
『笑っていいとも!』に出ていた時に、フリップの裏に描いていたんですよ。
お茶の間に流れたら一瞬で番組が終わっちゃうようなヤツを、
タモリさんにしか見えないようにして(笑)。
それを、タモリさんがおもしろがってくれたんです。
で、ある時飲みの席で、タモリさんと絵本の話になって。悪口とか言ってたんですかね。
でも、悪口言っているだけじゃ、おもしろくないじゃないですか。
『それなら、お前、絵本描け!』って。
タモリさん、いつもはふざけているのに、その時だけはまじめな顔で」