https://www.stepon.co.jp/interview/vol_38/
わたしの家〜すまいの履歴書〜麻丘めぐみ

21歳で結婚をして、同時に芸能界も引退しました。もともと結婚したら引退しようと思っていましたし、
家庭と仕事の両立は私には出来ないと思っていたので、未練はまったくありませんでした。
仕事を辞めてからの専業主婦生活は本当に楽しかったですね。1日をすべて自分と家族のために使えるのですから、
開放感でいっぱいでした。同時期に芸能界を引退した友人たちと一緒にスーパーに行ったり、夕食会をしたりして、
さまざまな”初体験”に心が躍っていました(笑)。
結婚をして2年後には娘も生まれました。結婚をしているときは主人の仕事の関係で都心に住んでいましたが、
当時から子どもは自然豊かな環境で育てるべきと感じていたので、離婚と同時にもっと自然のある場所に
住まいを構えることにしました。東京でありながらも、身近に木々があり鳥の声も聞こえるような場所に一軒家を建て、
母と娘と3人で暮らしをスタートしました。
現在は、母は地元の大分に戻って暮らしています。娘は今、フランスに留学し、私は1人暮らしとなりました。
最初は、初めての1人暮らしにウキウキしていたのですが少し経つと淋しくて、淋しくて(笑)。
娘が帰ってきたときは、本当に嬉しいですね。
はいえ娘もいずれ結婚して家を出れば、私は本当に1人になるわけです。今後の住まいについては、いろいろと考えました。
1人で暮らすのであれば、マンションのほうが便利という意見も聞きますが、私はこの家で暮らそうと決めています。
そして、ここで豊かな老後を過ごすために、少しずつ準備を始めたところです。建ててから20年も経っている家ですから
傷んでいるところも多いので、玄関やベランダなどから少しずつリフォームもしています。そして、いらないものを潔く捨てて、
家の中をとにかくシンプルにしようと思っています。
60代を目前にした今、仕事もプライベートも何か特別なことをやろうとは考えていません。
あとは、60年の人生で培ってきた仕事や人間関係が自然と人生の流れを導いてくれると思うのです。その流れに身を任せていきたい。
そのためには何でも受け入れられる状態にしたい。この家にどんな物や人がやってきても受け入れられるように、シンプルにしたいと思っています。