>>321続き)

そんなこんなで、(まだ『えんとつ町のプペル』が生まれる前の)2013年から、
僕の絵本のキャラクターの著作権をフリーにして、僕らは、僕の絵本原画展の運営の権利を一般に解放した。

吉本興業には筋道を立てて、フリー戦略を説明したが、理論通りに進まないことなんて日常茶飯事。
大きな大きな賭けだった。

今となっては、5年前のあの時に、全員クリエイター&全員オーディエンスの方に
シフトチェンジして良かったと心から思える。
これまで『えんとつ町のプペル光る絵本展』は100万人近く動員しているが、
そのほとんどが、一般の主催者さんによるものだ。
https://i.imgur.com/D6yvSYH.jpg

特別な技術がなくても、
大きな発信力がなくても、
やれるじゃないか。

僕の個展や『えんとつ町のプペル 光る絵本展』を運営してくれたスタッフは数千人にのぼる。
皆、普段は会社に勤めたり、子育てに奔走している人ばかりだ。

僕は彼らのことを心から尊敬する。
やれるところを見せてくれるその姿に、嫉妬さえ覚える。

彼らはまだまだ下手くそだ。
演出のツメがあまい。
美術が自己満足すぎる。
音楽を差し込むタイミングとボリュームに配慮がない。
だけど、それがどうした?
普段、近しいスタッフやオンラインサロンのメンバーには口酸っぱく説教しているんだけれど、
だけどそんなものは、この先、経験が教えてくれる。
そんなことよりも、プロを名乗る僕らが絶対に忘れちゃいけない熱狂を彼らは持っていて、
そっちの方がよっぽど大切だ。

彼らが作るハンドメイドな空間を見るたびに、いつも背筋が伸びる。
これからも一緒に作らせていただきたいと思う。
そして、時々、
彼らが束になって逆立ちしても、到底、作ることができない作品を作って、彼らを感動させたい。

『えんとつ町のプペル光る絵本展』を開催してくださっている全国のスタッフの皆様。
いつも本当にありがとうございます。

皆さんの物語を映画『えんとつ町のプペル』に落とし込みました。
今、命懸けで作っています。
2年後、劇場で待ち合わせましょう。
https://i.imgur.com/rClV24D.jpg