>>622続き)
西野:つまり、えーと…要は、通貨の本質って換金の有無じゃないんですよ。
   こうやって、えーと要はえーと、紙幣の成り立ちから話すと、
   あ、結構、もうちょっとスッといくかもしんないですけど。
   えと、紙幣ってもともと、えーとー…たとえばお金って最初は貝殻だったり、
   えーと…なんかいろいろ形が変わって…石だったり。
   で、あるとき金(きん)になったじゃないですか。ゴールド!
   僕たちの先祖はその金(きん)を媒介物にしてサービスだとか商品とかを
   やり取りしてます。でも、あるとき誰かが多分「金(きん)ちょっと重くね?」
   みたいなことを言い出して。金(きん)はやっぱ持ち運び結構大変だし、
   で、「これちょっと重いね」みたいなこと言い出して。
   多分、えー、金は金でそれなりに不便になってきて、
   そんときに現れたのが、えーと…金匠ですね!
   金(きん)の匠(たくみ)って書いて金匠(きんしょう)。
   で、金匠っていうのは何かって言うと、えーと、金を預かってくれる人です。
   あの、イイ感じの金庫を持っていて、頑丈な金庫を持っていて、
   その人が金(きん)を預かってくれる。たとえば僕がその金匠のとこ行って
   100ゴールドを預けたら、100ゴールドの預り証を、えー、紙ですねコレただの。
   で、コレをもらって、えーと、預り証です。で、「預りましたよ」っていう
   この預り証をもらって、次、僕はこの100ゴールドの預り証でもって、
   えーと…焼きそばを買ったりだとか、焼きそば屋さんには
   「これ100ゴールドの価値があるから。持ってったら引き換えてくれるから」
   みたいなことで、焼きそば屋さんから焼きそばを買って。
   じゃあ次、焼きそば屋さんはこの100ゴールドの預り証を金匠んとこ行って
   換金しなきゃいけないんだけれども、でも…メンドくせーなって。
   だってこの100ゴールドの預り証には100ゴールドの価値があるっていうことは
   何人かは知っているので。その人同士で交換すればいいなってことで、
   預り証だけでグルグルグルグル回りだした。つまり紙は換金されずに
   グルグルグルグル回りだして、その瞬間に紙幣ってものが生まれた。
   つまりその、えーと…最初は、最初は金(きん)と、えーとー…
   「換金しますよ、交換しますよ」みたいな裏付けはあったんだけれどみんなが
   このただの紙に価値を見い出してしまったから、もう換金もしなくなった。
   多分日本だったら1931年か32年だと思うんですけど…換金外れたのって。