本井宏人
2023/2/18 9:30

 岐阜県可児市の陶芸家が、信長や秀吉も手元に置いたと伝わる「曜変天目茶碗(ちゃわん)」の再現に取り組んでいる。「器の中に宇宙が見える」と称される美しさに魅せられ、窯業(ようぎょう)研究者から転身して17年。「ようやく人前に出せるものができた」と手応えを語る。

 大平修さん(70)は名古屋工業大を卒業後、土岐市立陶磁器試験場で、紙のように薄い磁器「セラート」や、食器の抗菌技術の開発を手がけてきた。

 40歳の時、東京の静嘉堂文庫美術館で見た曜変天目茶碗にとりつかれ、頭から離れなくなった。茶碗の再現に専念するため53歳で試験場を退職。ろくろ回しから陶芸を学んで自宅に電気窯を構えた。

 曜変天目茶碗は、中国で12~13世紀の南宗時代に制作されたと伝わる黒釉(こくゆう)茶碗の最高峰。鎌倉時代に日本の僧が持ち帰ったという。世界でも日本に残る国宝の3点しか確認されておらず、
製法は今も謎の部分が多い。大小の斑点や角度によって変わる色合いが特徴で、織田信長、豊臣秀吉から徳川家へ引き継がれたと伝わる茶碗もある。

     ===== 後略 =====
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